周囲の声に感化されて、『よし、カフェをやろう!』と思い立つまではいい。
ただ、新郎新婦様お2人と接客するためだけに作られたサロンを「何人もの人が集うカフェにできるのだろうか?」という不安が頭をよぎる。
たった5坪の小さなサロンである。
しかし、ただ思ってるだけでは何も始まらない。えいやー!と前へ進む勇気が不安を払拭する最大の術なのである。
そして、進むためには明確な目標が必要だ。
(まずは、このサロンでカフェを営業するためのルールを知らなきゃいけないなぁ・・)
知識は目標になる。
そこで僕は保健所へ向かった。
無知で無謀もある意味ステキだと思うのだが、ここはあえて僕の苦手な公(おおやけ)の門を叩く事にしたんだ。
保健所はサロンのすぐ近くにある。
思い立った僕はアポも取らず意気揚々とエントランスを入る。そして食品衛生協会の場所を確認し、エレベーターのボタンを押した。
全ての事がここから始まるような気がした。